駐車場経営で得られた利益に対して確定申告が必要?確定申告の流れを解説

駐車場経営によって、安定して利益を得られるチャンスが広がります。
駐車場経営は副業としても人気ですが、得られた利益に対して確定申告が必要となります。

では、具体的にどのような形で確定申告をすれば良いのでしょうか。
この記事では、駐車場経営で得られた利益に対して確定申告する方法などを紹介します。

駐車場経営における確定申告とは


確定申告とは、1年間の所得をまとめて所得にかかる税金を算出したうえで、税務署に納める税額を報告する手続きを指します。

所得とは、売上から経費を差し引いた利益の部分を指すため、単純な売上とは異なる点に注意が必要です。

確定申告は1年に1回行うものであり、対象期間は1月1日から12月31日となり、期間内に得た所得と納める税額を計算します。

そして、原則として翌年の2月16日から3月15日の間に税務署に対して報告して納税するまでが確定申告の範囲です。対象期間に変更はありませんが、確定申告の期限日が土日や祝日となる場合は休日明けの平日が期限です。

また、2021年は新型コロナウイルスの影響により期限が延長されたケースもありますが、原則は2月16日から3月15日となります。

なお、過払いしている税金の還付を受けられる還付申告は上記期間に関係なく1月1日から申告が可能であり、申告可能になったタイミングから5年以内であれば、いつでも還付申告できます。

もし、企業に雇用されている方が副業として駐車場経営している場合、ほかの所得と合算して年間20万円を超えた時点で確定申告が必須です。

副業ではなく本業として駐車場経営している場合は、駐車場収入から必要経費を差し引いた1年間の所得額が48万円を超えると確定申告したうえで納税しなければなりません。

また、本業で駐車場を経営する方に対しては、年間所得2,400万円以下の方に適用される48万円の基礎控除を所得から差し引けます。

以上のように、立場によって納税が必要な基準が異なりますが、確定申告しなければならない場合がある点は常に意識してください。

確定申告が必要であるのに申告しないと発覚した場合、15%から20%の無申告加算税の支払いが必要です。無申告加算税の場合、本来納めるべき税額に加算して、その税額に応じた罰金を支払うものとなります。

納税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の税率をかけて算出した金額の支払いが必要ですが、これは指摘された場合の金額です。

もし、税務署の調査を受ける前に自主的に申告すれば、無申告加算税の課税割合が5%に軽減されます。

さらに、延滞税として7.3%から14.6%の支払いが必要です。
確定申告を漏れなく対応するのが大前提となりますが、もし無申告が発覚したらすぐに対応してください。

別記事の「コインパーキング経営でかかる税金の種類や節税方法を解説」にてコインパーキング経営で発生する主な税金の種類や、節税方法を詳しく解説しております。ぜひご覧ください。

駐車場経営における確定申告が必要なケース


給与所得者が副業の形で駐車場経営を行う場合、給与所得以外の所得合計が20万円を超える場合は確定申告が必要です。

例えば、駐車場経営による収入金額が120万円あり、必要経費が110万円かかった場合、所得は120万円から110万円を差し引いた10万円となります。

確定申告の基準である20万円以下となり、確定申告は不要です。
ただし、各種控除を受けたい場合などは税金こそ発生しませんが確定申告した方が良いケースもあります。

もし給与所得者ではなく本業として駐車場経営している場合では基準が異なります。
駐車場経営による所得と他の事業で得られた所得の合計が基礎控除額の48万円を超える場合、確定申告のうえで納税しなければなりません。

ただし、所得が48万円を超える場合でも、配偶者控除や社会保険料控除といった所得控除によって、所得額が所得控除額の合計を下回るケースでは確定申告は不要です。

以上のように、収入があるから必ず確定申告が必要となるわけではなく、給与所得者か否か、そして所得の金額に応じて確定申告の有無が変化する点は覚えておきましょう。

駐車場収入はどのように区分される?


確定申告するうえで、所得区分の確認は重要となります。
所得税を計算するうえで、所得を10種類に区分する必要があり、区分によって所得金額の計算方法や認められる経費が異なります。

場合によっては有利になる一方で、誤った経費を計上すると修正申告の対象となる可能性もあり要注意です。所得の10種類とは、具体的には以下となります。

所得の10種類

  1. 利子所得
  2. 配当所得
  3. 不動産所得
  4. 事業所得
  5. 給与所得
  6. 退職所得
  7. 山林所得
  8. 譲渡所得
  9. 一時所得
  10. 雑所得

駐車場経営の所得区分としては、通常は不動産所得事業所得、または雑所得に該当します。

どの区分に分類すべきかどうかは、経営者の責任で自動車の管理をしているかどうかで変化します。
例えば、駐車場を利用した自動車のキズや盗難などに対する責任を経営者が負う場合は事業所得や雑所得です。

安全に駐車場を利用して貰うために、フェンスなどで囲ったり駐車場の入り口を規制したりして、管理者を置くなどの対応が必要であり、この対策費が経費として計上できます。

一方で、自動車を停めるスペースだけを提供している場合は不動産所得で計上しなければなりません。

事業所得と雑所得で何が違うかと言えば、事業的規模であれば事業所得になる点です。
事業所得も不動産所得においても、給与所得などの損益通算や青色申告ができますが、不動産所得の方が厳しい要件が設定されています。

不動産所得の場合は、明確な判断基準は示されていませんが概ね50台以上の駐車場を運営している場合は事業的規模と認められるケースが多いです。
もし駐車場が建設物となる場合、台数に関係なく事業的規模に認定されるケースがあります。

不動産所得では、事業規模と認められないと青色申告の65万円の特別控除を受けられず、簡易帳簿による10万円の特別控除の恩恵しかありません。

さらに、不動産所得で事業規模と認められないケースでは、生計を同一とする家族に対して支払う給与を経費として算入できません。

以上のように、所得区分によって細かな違いがあるため、ルールに従った区分で計上してください。

駐車場経営の確定申告のポイント


駐車場経営の確定申告のポイントとして、以下の点に注意してください。

駐車場経営の確定申告のポイント

  1. 雑所得は損益通算できない
  2. 不動産所得は青色申告や損益通算が可能
  3. 青色申告するためには届出が必要
  4. 必要経費を適切に計上する

各ポイントについて、詳しく解説します。

雑所得は損益通算できない

駐車場収入を雑所得とする場合、白色申告で確定申告する必要があります。
駐車場経営が赤字となった場合に、給与所得と相殺して所得税額を抑えられるように見えますが、雑所得は他の所得との損益通算は不可能です。

もし損益通算したい場合は、不動産所得に計上する必要があります。

不動産所得は青色申告や損益通算が可能

駐車場収入を不動産所得に設定する場合、白色申告だけでなく青色申告の形で確定申告が可能です。
所得税の計算式は雑所得と同一ですが、不動産所得の場合は給与所得との損益通算できます。

損益通算は青色申告だけでなく、白色申告でも可能です。
青色申告の場合、e-Taxで申告すれば最大65万円の控除が得られるなど、大きなメリットがあります。

青色申告するためには届出が必要

先に紹介したとおり、青色申告は控除額が高く大きなメリットがあります。
副業で駐車場経営している会社員でも、不動産所得や事業所得とすれば青色申告が可能です。

ただし、青色申告するためには税務署への事前の届出が必要となります。

すでに駐車場を経営しているケースでは青色申告する年の3月15日まで、駐車場経営をスタートさせたばかりの方は開業から2ヶ月以内に、青色申告承認申請書を管轄する税務署に提出しなければなりません。

また、青色申告の場合は複式簿記に対応しなければならないなど、白色申告よりも手続きが若干面倒ですが、多くの恩恵を受けられるため十分検討の余地があります。

必要経費を適切に計上する

駐車場経営において発生した経費は、漏れなく計上してなるべく所得を減らす必要があります。
駐車場を管理するために発生した経費は、漏れなく計上してください。

駐車場経営における確定申告の流れ


確定申告の流れとしては、駐車場経営でも他の事業でも大きな違いはありません。
主に、以下の流れで確定申告を進めます。

確定申告の流れ

  1. 申告書を入手する
  2. 必要書類を準備する
  3. 申告書に記入する
  4. 申告書を提出する
  5. 納税する

各ステップの詳細について、解説します。

申告書を入手する

最寄りの税務署で、不動産取得の申告に必要な申告書Bと白色申告または収支内訳書、青色申告者は青色申告決算書(不動産所得用)を入手します。

税務署に出向く暇がない場合は、紙ではなくインターネットでの手続きも可能です。
また、過去確定申告の実績がある場合は毎年確定申告時期に必要書類が郵送されます。

必要書類を準備する

確定申告で必要となる、各種契約書や領収書を普段から保管してください。
確定申告では、経費などを証明する書類が必要となり、申告書に添付しなければなりません。
1年分をまとめて計上するのは大変なので、普段からこまめに整理しておきましょう。

申告書に記入する

申告書には記載の方法が詳細に記載されており、それに従い申告書を記入していきます。
紙の申告書の場合は、記入ミスにより書き直しが必要になる可能性があるため、一度下書きしたうえで清書してください。
また、確定申告時期には各税務署などで確定申告相談会が開催されるため、不明点があれば相談しましょう。

申告書を提出する

通常は2月15日から3月15日までの間に、居住地を所轄する税務署に申告書一式を提出します。
なお、e-Taxの場合は自宅にいながら提出が可能であり、また紙の申告書でも郵送によって提出できます。

納税する

確定申告した金額を、3月15日までに納税します。
もし還付金がある場合は、申告時に振込先の金融機関を指定しておく必要があります。

漏れなく確定申告しよう


不動産経営する場合、利益が多く発生すると確定申告が必要になるケースがあります。
必ずしも確定申告が必要になるわけではありませんが、基準を超えた場合は必ず確定申告のうえで納税してください。

また、必要経費は確実に計上して節税を図ることも重要です。

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