駐車場経営が赤字になる理由は?赤字にならないための対処法

土地さえあれば、初期費用を安く抑えて事業を早期にスタートできるのが駐車場経営です。昨今の副業ブームもあり、駐車場経営を副業として始めた人も少なくないでしょう。

ところが、ポイントを押さえた経営を行っていかないと、思わず赤字経営になることも珍しくありません。これから新たに駐車場経営を始めようとしている人も、事前の準備段階で知っておくべきことがあります。

ここでは、駐車場経営で赤字になる理由を月極駐車場とコインパーキングそれぞれにわけて、解説していきます。また、赤字経営にならないための対策についても紹介します。

駐車場経営が赤字になる理由


駐車場経営には月極駐車場とコインパーキングの2種類があります。月極駐車場は、借主と1か月単位の賃貸借契約を結び、毎月定額の賃料収入を得るものです。

コインパーキングは、精算機やロック板などの設備装置を設置し、利用時間で駐車料金を支払うタイプです。無人の24時間営業が可能で、場所によっては高い収益が期待できます。
両者に共通する赤字経営の理由は次のとおりです。

理由1 駐車場需要がない

駐車場需要のない場所で開業してしまい、赤字経営を余儀なくされるケースは少なくありません。周囲に駐車場を必要とする環境がない場合、どれだけ集客対策を行っても利用者の確保ができません。

駐車場需要の見込みを見誤ってしまった場合、初期費用を回収することができず赤字経営に陥り、撤退することが赤字を増やさない方法になってしまいます。

理由2 固定資産税の負担が重い

固定資産税・都市計画税などの税負担を正確に把握せず駐車料金を設定したため、赤字になるケースも多いといえます。駐車場の場合、住宅の建つ土地のように軽減措置がありませんので、住宅用地と比較して約6倍もの固定資産税が課税されます。

住宅を取り壊して駐車場経営を始めた際には、その差額に大きな影響を受けることになります。事前に土地の広さや用途に応じた税負担をよく検討し、詳細なシミュレーションをすることが重要です。

理由3 使い勝手が悪い

利用者は駐車スペースが十分に確保できている駐車場を選び、好んで利用します。駐車のしやすさ入出庫のしやすさなどは最低限確保しておく必要があります。

少しでも多くの駐車台数を確保したいために、無理な駐車スペースをつくってしまった結果、入出庫がしづらい、使い勝手の悪い駐車場になってしまいます。駐車場のレイアウトは、利用者が使いやすいことに重点を置くべきです。

駐車場経営の種類別の赤字になる理由


経営が赤字になる理由は、月極駐車場、コインパーキングに共通する場合もありますが、それぞれの駐車場の特徴に起因する理由も存在します。

月極駐車場

月極駐車場は、たとえば親から相続した土地であまり手間をかけずに始める場合もあります。しかし、気軽に始めた経営でも、適切な戦略を実行していかないと赤字経営となってしまうことにもなりかねません。

理由1 利用者の未納・滞納が発生

最も経営に影響の大きいことが利用者の駐車料金の未納・滞納の発生です。駐車場料金の未納・滞納は刑法で対処することができません。民事で解決する必要があり、警察の介入もありません。当事者間で話し合い解決できなければ、裁判に持ち込むしかありません。

しかし、訴訟には手間と時間がかかり、弁護士費用などの経済的負担も大きくなります。相手の態度次第では、レッカー移動をしても解決策とならない場合もあります。

理由2 料金設定が安い

当初の料金設定が周囲の競合店の状況を反映していなかったため、集客しようと料金の値下げを行ったものの、採算が取れなくなってしまったというケースも少なくありません。契約者との値上げ交渉はなかなかスムーズにはいきません。

強制的に値上げを断行すると顧客離れが起きてしまいます。契約者に丁寧な説明を繰り返し、料金値上げに理解を得るか、解約されるまで待ち、新しい利用者募集の際に値上げするしか方法はありません。

別記事の「コインパーキングの料金の相場は?時間や場所によって変わる相場に注目」にてコインパーキングの料金を決める要因を詳しく解説しております。ぜひご覧ください。

理由3 稼働率の見込み違い

駐車場の稼働率を100%であると見込んでいると、解約があった場合には、赤字に転落する可能性があります。月極駐車場は、規模が大きくなればリスクが減り、稼働率の変動も小さくなります。規模が小さければ、1台の解約が発生するだけでも収入の減少が大きく影響します。

周辺の駐車場需要や駐車可能台数などを踏まえた適切な稼働率収益率の見込みを計画してください。判断が難しいようでしたら、専門家に相談することをおすすめします。

コインパーキング

コインパーキングは月極駐車場より設備費用の負担が重くなります。コインパーキングにも複数の経営形態がありますので、それぞれの特徴を有効に活用することが大切です。

初期費用を回収することが最初の目標となりますが、そのためには駐車場需要の調査、周囲の環境調査、経営のシミュレーションが非常に重要なポイントとなります。

理由1 設備投資が高すぎる

初期費用が高すぎて回収がうまくいかず赤字になるケースがあります。コインパーキング経営は、駐車場需要だけではなく、駐車可能台数に見合った初期費用を押さえることが大切です。競合調査、料金設定、固定資産税などの税金などを正確に洗い出す必要があります。

理由2 競合調査が甘かった

コインパーキングは利用者が毎日異なりますので、駐車場需要が最優先するポイントです。稼働率が思うほど伸びず、高い料金設定にする場合がありますが、利用者の減少を招き、赤字に転落するケースもあります。
競合駐車場の稼働率を詳細に検討せずに、安易に開業してしまうと飽和状態の中で営業していくことになりますから、赤字となってしまう理由になります。

理由3 経営形態の選択を誤った

コインパーキングの経営形態のひとつに「一括借上げ方式」があります。別名「サブリース」とも呼ばれますが、駐車場経営を管理会社にすべて委託し、賃料を得るシステムです。初期費用が0円となる契約もあり、初期費用を抑えるという意味では便利な方式です。

ただ駐車場の稼働率にかかわらず、管理会社から契約した一定の賃料が収入となります。稼働率に見合った収入が得られないため、収入の伸びがなく、赤字になるケースもあります。

駐車場経営で赤字にならないための対策


失敗するリスクを回避し、赤字にならない駐車場経営を行うためには、さまざまな対策とコツがあります。これらを事前に十分に把握し、黒字化を実現する方法を紹介します。

対策1 駐車場需要の高い場所を選ぶ

赤字を出さない駐車場経営は最大のポイントです。仮に初期費用を抑えられたとしても、立地が悪く低稼働率であれば赤字となってしまいます。駐車場需要調査は黒字経営の基本であることを認識して、最大限の労力を投入してください。
初心者は情報収集に限界がありますので、専門の会社に相談して、需要調査や料金調査などを委託するのも有効な対策のひとつです。多少の費用がかかりますが、業界の状況や周辺地域の事情にくわしいプロに委託すれば、精度の高い情報が得られるでしょう。

対策2 固定資産税を加味して料金設定をする

駐車場経営の支出の中で、大きな影響力を持つのが固定資産税・都市計画税です。土地の候補地を絞ったら、固定資産税・都市計画税を試算してみましょう。これらの税金や他の支出費用もシミュレーションして、赤字にならない程度の料金設定をすることが重要です。
なお、稼働率は100%とせず、70~80%程度で想定することが大切です。

対策3 管理・運営を委託する

駐車場経営には賃料、不正駐車、場内の事故などさまざまなトラブルが発生します。これらをオーナーひとりで対応するにはかなりの手間と時間がかかります。すべてをひとりで行わず、管理だけでも管理会社に委託するほうが安心です。

特に、コインパーキングは24時間営業が原則ですので、個人ですべての管理を行うことは困難です。精算機などの設備装置のメンテナンスもありますから、管理会社に委託する方法を選択すべきでしょう。駐車場経営の実績と経験が豊富で、信頼できる管理会社を選ぶことが重要なポイントです。

維持コスト


コインパーキングを経営するにあったて維持する際にかかるコストがどれくらいかかるのか知っておきたいと思う方は多くいらっしゃるでしょう。

別記事で、「コインパーキング経営の維持コストの目安は?」ついて解説しています。ぜひ参考にしてください。

まとめ


いかがだったでしょうか。土地の有効活用をするために、駐車場経営を始めることが人気となっています。駐車場需要さえあれば、比較的少額の初期費用で気軽に始めることができます。

しかしながら、思ったほど利益が得られず、なかには赤字となってしまうケースも少なくありません。赤字にならない駐車場経営をするためには、適切な対策とコツがあります。

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土地活用でコインパーキング経営をしてみたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。 

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