![コインパーキング経営は初期費用にいくらかかる?経営方式別に解説](https://coinparkingkeiei-hikaku.com/wp-content/uploads/2021/04/2358237_s.jpg)
コインパーキング経営に興味があるけど、どれくらい初期費用がかかるのか見当がつかない……。
そのような悩みを抱えている方もいるでしょう。
本記事では、コインパーキング経営にかかる初期費用について、運営タイプごとに紹介しています。
コインパーキング経営を始めようと思っている方は、ぜひ参考にしてください!
あなたにとってベストな運営方式が見つかると思います。
Contents
コインパーキング経営とは
コインパーキング経営とは、時間貸し駐車場で収入を得る事業方法です。
同じ駐車場経営でも月極駐車場といった事業方法があります。
両者の違いとしては、コインパーキング経営は不特定多数のかたに時間単位で駐車スペースを貸して収入を得るのに対し、月極駐車場の場合には賃貸借契約を結んで特定のかたに月単位で駐車スペースを貸して収入を得ます。
コインパーキング経営の初期費用
コインパーキング経営にかかる初期費用を、運営方式ごとにみていきましょう。
ケース①:業者委託
業者に管理業務を委託する方式。管理業務を委託するだけのため、アスファルト舗装の費用や車止めブロック代、精算機代などは全額自己負担となります。
ケース②:土地賃貸
土地賃貸方式とは、地主は土地を貸し出すだけで、あとは業者が管理・運営する方式のこと。
初期費用に関しては、オーナーが負担することもありますが、初期費用0円で専門業者が整地などの作業をやってくれるところもあります。
そのため、コストをかけずにコインパーキング経営を始めたい人は、土地賃貸方式を選択することをおすすめします。
しかし土地賃貸方式は、アスファルト舗装を自主的に行ったあと専門業者に貸し出す“施設賃貸方式”に比べて、舗装料がかからない分、賃料が安い傾向にあります。
高額な地代を求める場合は、施設賃貸方式も検討してみるといいかもしれません。
ケース③:自己経営
自己経営は、すべて自分で管理するスタイルのため、初期費用が最もかかります。
その分、収益は全部自分のものになるため、経営能力などに自信がある方におすすめです。
以下、自己経営する際に必要な初期投資を紹介します。
整地
コインパーキングを経営する際、まず必要なのが整地です。
整地とは、置物や雑草などを撤去し更地にしたあと、掘削・残土処分・転圧などを行い、最後にアスファルトまたはコンクリート舗装することをいいます。
土地に高低差がある場合は、造成工事も必要になります。
コインパーキング経営の場合、アスファルトまたはコンクリート舗装にすることで、水はけもよくなり、車も停めやすく、長持ちしやすくなるので、砂利式より舗装するのがおすすめです。
アスファルト舗装は、3,000~5,000円/㎡ほどかかりますが、コンクリート舗装は、5,000~10,000円/㎡ほどかかるのが一般的です。
その後、ラインを引き(5,000円/台ほど)、駐車マスをつくり、車止めブロック(3,000~5,000円/個)をマスごとに2つずつ設置します。
そのほかにも、側溝敷設(排水)費用(1万5,000~1万8,000円ほど)や重機運搬費用(5万円~/回)がかかります。
機材
コインパーキングの場合、機材の設置費用がかかります。
コインパーキングを開設する際、必要となる機材の一覧が以下です。
【コインパーキングを開設するとき必要となるもの】
- 精算機……40万~50万円/台
- 精算用雨除けテント……9万円
- ゲート……60万円/台(中~大規模の駐車場の場合)
- ロック台……10万円/台(小~中規模の駐車場の場合)
- 監視カメラ……1万円/台
規模が大きいコインパーキングの場合はゲートを、小規模なコインパーキングのときはロック台を設置することが多いです。
一般的に、20台以上の駐車スペースのあるコインパーキングは、ゲートを設置する傾向にあります。
またこれらのほかに、別途、設置工事費として50万円ほど必要になります。
精算機やロック台は、中古品を使用すると、さらに費用を抑えることができます。
別記事の「コインパーキングに監視カメラを設置する理由をメリットも含めて紹介」にて監視カメラの設置理由について詳しく解説しております。ぜひご覧ください。
看板や照明
看板・照明にかかる費用は20万~円程度です。
看板の内訳として、以下が挙げられます。
【コインパーキングに必要な看板】
- 料金案内の看板……10万円
- 約定看板(照明付、電源工事費込み)……2万円
- 満室表示機……10万円
その他、必要に応じて電飾看板も設置します。
コインパーキングの場合、常に集客し続けなくてはならないため、看板の重要性は高いです。
夜間の車の出入りが激しい場合は、電飾看板を導入することも検討したほうがいいと思います。
また照明代は、3万円/基、程度。
車上荒らし防止などのためにも、照明も設置することをおすすめします。
フェンス・バリカー
周囲の建物に排気ガスがかからないようにしたり、周囲の視線をさえぎったりするためにも、フェンスも設置したほうがいいでしょう。
フェンスは、2万円/mほどします。
また必要に応じて、衝突防止のためのバリカーを設置することもおすすめします。
遠隔システム
コインパーキング経営の場合、売上や入出庫などのデータを確認できたり、遠隔操作できたりするシステムも導入する必要があります。
コインパーキングで高い売上を上げようと思ったら、駐車ニーズによって料金設定を細かに変動し、稼働率を上げることが大事です。
売上や利用台数などを確認して、より正確に経営分析することで、利用者により喜ばれるコインパーキング経営ができるようになります。
初期費用が少額な理由
コインパーキング経営の初期費用が少ない3つの理由を紹介します。
理由1.必要な機材が少ない
上記の通り、コインパーキング経営に必要な機材は精算機、ロック台、ゲート機、看板類、照明ぐらいしかありません。
また、リース・レンタルで揃えることも可能なので初期投資の額を抑えられます。
理由2.施工費が抑えられる
舗装済みの土地を持っている場合、上記の整地費用もほとんどかかりません。
またコインパーキングは狭小地でも始めやすいビジネスです。
その場合、舗装しなくてはならない面積も少なく、施工費を抑えられます。
ただし、土地面積が少なくても、精算機や看板など、必ず設置しなくてはならないものの値段は変わらないため、全体のコスパは悪くなります。
理由3.一括借り上げ方式の場合は、業者が負担してくれる
一括借り上げ方式の場合、元の初期費用の額が少ないこともあり、すべて業者が負担してくれるケースもあります。
そのため、興味はあるものの初期費用をかけたくない人にとって、一括借り上げ方式のコインパーキング経営はベストな選択肢ともいえます。
コインパーキング経営の維持コスト
本記事ではコインパーキング経営にかかる初期費用についてご紹介しましたが、維持コストはどれくらいかかるのでしょうか?
別記事の「コインパーキング経営の維持コストの目安は?」にて詳しくご紹介しております。ぜひご覧ください。
コインパーキング経営のメリット
コインパーキング経営のメリットとしては、経営を始めるためのハードルが低い点です。
具体的にどうしてハードルが低いのかをみていきます。
メリット①小さい労力でできる
コインパーキング経営はほかの不動産投資と比較して小さい労力で経営することができます。
管理委託会社に依頼をしたら、管理委託手数料はかかるものの、日々の管理運営に関しては任せられます。
また管理委託会社は運営実績が豊富でノウハウも有しているため、経営のアドバイスをもらいながら行えます。
そのため、初心者で経営の知識が乏しいかたでも始めやすいのがコインパーキング経営です。
メリット②投資額が少ない
経営を始めるにあたって必要になるのが初期費用です。
コインパーキング経営の場合、どのような経営方式でおこなうのかによってかかる初期費用は変わりますが、比較的初期費用をかけずに始められます。
かかる初期費用としては土地の購入代金もしくは賃貸料、土地の整地や舗装費用、外灯や精算機、フラップ板といった設備機器がかかります。
メリット③解約・転用がしやすい
もしコインパーキング経営が上手くいかなかった場合には事業の撤退もしやすいです。
土地を借りてコインパーキング経営をしている場合には賃貸借契約満了後に契約を解約して事業をやめられます。
もし土地を購入していた場合には土地を売却やコインパーキング経営をやめて、アパートなどを建て、別の土地活用として転用もしやすいです。
メリット④老朽化・自然災害のリスクが少ない
不動産の場合には経年劣化による老朽化が避けられません。
アパートやマンションといった建物は経年劣化したものを修繕する必要があるため、大規模修繕になればそれだけ大きな出費が伴います。
コインパーキング経営の場合には建物はなく、老朽化するのは舗装と設備機器です。
老朽化したとしても建物ほど大規模な修繕が伴うことはないでしょう。
ほかにも日本は災害大国です。台風やゲリラ豪雨、地震といった自然災害のリスクがあります。
これも建物で被害が出た場合には、損害保険の補てんがあったとしても大きな損害が発生します。
コインパーキングの場合も多少の損失は出るでしょうが、アパート経営などと比較するとリスクは少ないといえます。
駐車場経営のデメリットとは
ここまでメリットを見ていきましたが、もちろんデメリットもあります。
次はデメリットについて具体的にみていきます。
デメリット①節税効果が薄い
不動産投資には建物の減価償却があるため、よく節税効果があるといわれます。
しかし、駐車場経営の場合には節税効果は薄いです。
減価償却とは購入した資産の取得価格を耐用年数に応じて毎年経費として処理する方法です。
建物は取得価格が大きいため、経費に計上する減価償却も多くなりますが、駐車場経営の場合には建物ほど減価償却はありません。
減価償却によって経費が多くなると、不動産の決算書がマイナスになる場合があります。
マイナスになった不動産所得はほかの所得と損益通算ができ、その結果が節税効果としての表れです。
駐車場経営の場合には、損益通算できる可能性が少ないがために節税効果が薄くなります。
デメリット②収益性が悪い
駐車場経営は収益性が悪い点もデメリットです。
月極駐車場経営にしろ、コインパーキング経営にしろ、料金単価は安いため収益を得られたとしても小さいです。
最近ではレンタカーやシェアリングカーの利用率も高くなっているため、車を所有するかた自体が減少傾向にあり、車離れが進行しています。
駐車場経営はそもそも車の利用者がいなければ成り立ちませんのでそういった意味でも収益性が悪いといえます。
デメリット③参入障壁が低い
メリットとして小さい労力でできて、投資額が低い点をあげました。
しかし目線を変えるとこれはデメリットにもなります。
それだけ参入するための障壁が低く誰でも始められるため、せっかく駐車場経営を始めたのにすぐに周辺に競合他社が参入してきたといったこともあります。
そうなると、競争が激化して料金価格の見直しや稼働率の低下に伴う売り上げ減少を招いてしまうケースも考えられます。
コインパーキング経営に向いている土地
これからコインパーキング経営をするにあたって向いている土地はどんな土地でしょうか。
これからコインパーキング経営を始めるかた向けが土地探しをするときにポイントとすべき点についてお伝えします。
繁華街に近い立地
人気の観光地や大型の商業施設があるような繁華街に近い立地はコインパーキング経営が向いている立地です。
繁華街は車の出入りも多く、駐車場があっても満車で停められないこともあるので時間貸しのコインパーキングをするにはもってこいの土地になります。
また繁華街のほかにも病院やオフィス街、駅近なども向いている土地になります。
ただし注意しなければいけないのが、日中は利用が見込めても、夜間になると賑わいがなくなり利用が見込めないことです。
繁華街が公共交通機関でのアクセスもいいような立地だとかえって車で来る人が少ないこともあります。
道路幅が5m以上ある土地
コインパーキングの前面道路が5m以上ある土地も向いています。
前面道路が広いとそれだけ交通量も多くなり、結果として見込み客が多くなります。
また駐車をするときに道路が広いほうが出入りもしやすく、運転初心者のかたでも駐車しやすいといったメリットがあります。
そのためできればコインパーキング内の駐車スペースも余裕を持った作りにするとよいでしょう。
スペースに余裕があれば、駐車しやすいのはもちろん、車の乗り降りも楽になります。
駐車場利用者同士でドアを開けた際に隣の車にドアをぶつけてしまいトラブルになるといったことも防げます。
高低差がない土地
なるべく高低差がない土地を選びましょう。高低差があると整地をして土地を平らにしなければいけません。
そうなると通常よりも整地費用が高くつく可能性もあります。
また整地するほどの高低差ではなくても、スロープの設置をしたり、駐車しづらくて利用されなかったりする可能性があります。
コインパーキング経営のリスク
ここまでコインパーキング経営のメリットデメリットを見ていきました。
これを踏まえたうえでコインパーキング経営にはどんなリスクがあるのでしょうか。
経営におけるリスクについてみていきます。
立地によるリスク
コインパーキング経営は立地によって得られる利益が大きく変わってきます。
通常のコインパーキング経営では稼働率20~30%ほどあれば良好といわれます。
立地が悪いとこの稼働率が0~10%ほどになってしまうこともあります。
立地の差でここまで稼働率が変わるためコインパーキング経営を始める前の土地探しが肝心です。
また土地探しをする時には周辺状況も合わせて確認するようにしましょう。
パーキング内の事故や盗難リスク
コインパーキング内での事故や盗難リスクが伴います。
特にコインパーキングは無人経営が多いため、トラブルが起こったときの対応が難しくなります。
基本的には当事者同士の問題ですが、場合によってはオーナーの責任になるケースもあります。
またトラブルが起こったときにその場に居合わせることのほうが珍しいため、もしトラブルが発生した時にはコインパーキングの経営している会社に電話が入ります。
こういったリスクに備えるために損害保険に加入しておきましょう。
無人で人の目がつかないとトラブルが起きたときの対処も難しくなります。
トラブル予防のために監視カメラを設置するといったこともするとよいでしょう。
競合参入リスク
デメリットで紹介した通り、参入障壁が低いため当初は競合がいなかったとしても、その後競合が参入してくる可能性があります。
そうなったときに料金単価を下げるといったことも経営判断が必要になります。
しかし価格競争になってしまうと初期費用が回収できなくなったり、管理手数料の経費で利益が少なくなってしまったりする恐れがあります。
さらには料金単価を下げても、供給過多で稼働率も下がるといった懸念もあります。
そのためコインパーキング経営を始めたあとも周辺状況は定期的に確認するようにしましょう。
また場合によっては、早めに事業撤退の判断をして、別の場所でコインパーキング経営を始めるといった経営判断も必要になってくるでしょう。
コインパーキング経営のメリットでもある事業撤退や土地転用のしやすさを含め、経営を始めるタイミングで出口戦略についても考えておくといいです。
コインパーキング経営は始めやすい土地活用法の一つ
コインパーキング経営の初期費用についてお伝えしました。
コインパーキングは、アパート・マンション経営などに比べると、初期費用が安く、始めやすいビジネスです。
初期費用を1円も払いたくない人は、一括借り上げ方式を選択することをおすすめします。
本サイトでは、コインパーキング経営会社を紹介しています。ぜひご覧ください。