![駐車場経営とは?始める前に知りたい基礎知識を解説](https://coinparkingkeiei-hikaku.com/wp-content/uploads/2023/02/3730175_s.jpg)
土地を所有していてもうまく活用できず、放ったままの方もいるかと思います。
余った土地を活用できれば、アパートやマンション経営のように建築・賃貸し、家賃収入を大きく得られるかもしれません。
しかし、初期費用やランニングコストがかかる賃貸経営に参入するのはハードルが高いと感じる方がいるのも事実です。
そこで本記事では、土地活用法の方法として取り組みやすいといわれる駐車場経営について、基礎的な知識を解説していきます。
駐車場経営の仕組みや種類、メリット・デメリット、実際の始め方も解説していますのでぜひ参考にしてください。
この記事を読めば駐車場経営における基礎知識が得られ、ご自身にあった経営方式や種類がわかります。
Contents
駐車場経営の仕組み
駐車場経営は、所有する土地に駐車場を作り、第三者に貸すことで賃料収入を得られる仕組みです。
初期費用が安く、手軽に取り組めるものとして人気のある土地活用方法です。
駐車場経営は、経営のしかたによって大きく以下3種類に分けられます。
- 自営方式
- 管理委託方式
- 一括借り上げ方式
では、それぞれの特徴について解説していきます。
1. 自営方式
自営方式は「駐車場の施行」「集客」「メンテナンス」「顧客対応」など、一連の運営業務をすべて個人で行うものです。
管理会社に業務を委託しないため、管理委託費用の支払いがありません。
そのため、収益性が比較的高い経営方式といえます。
一方で、自身で行う業務が多岐にわたるため、機器の不具合や利用客からのクレームにも対応しなければならず、費用負担の大きさや管理の手間がネックです。
本業で一日仕事をしている方では、なかなか取り組むのはむずかしいでしょう。
2. 管理委託方式
管理委託方式は、駐車場施工まで土地所有者(オーナー)が行います。経営開始後は、駐車場の管理業務のみ管理会社に委託する経営方式です。
委託できる業務は「集客」「メンテナンス」「顧客対応」などであり、得た賃料収入の一部をオーナーが受け取れるようになっています。
管理委託方式では、管理会社から経営に関するアドバイスやノウハウを得られる点が大きな
メリットです。
また、時間がなく、経営に手間をかけられない方にとっておすすめの経営方式といえるでしょう。
3. 一括借り上げ方式
一括借り上げ方式は、サブリースともいわれています。
管理会社に土地を貸し出して駐車場を作り、そこで「集客」「メンテナンス」「顧客対応」など一連の業務を委託する経営方式です。
管理会社がおこなってくれるため、駐車場経営のノウハウがなくとも賃料収入を得られます。初期費用や機器メンテナンス費用の負担もないため、土地がありさえすれば取り組めるのが大きなメリットです。
しかし、安定して収益が得られる一方で、駐車場の稼働率が上がっても収入が上がらない点には注意が必要です。
駐車場経営の種類
駐車場経営には大きく以下の2種類があります。
- 月極駐車場経営
- コインパーキング経営
それぞれの特徴を以下で解説していきます。
1. 月極駐車場
月極駐車場は、一ヵ月単位で利用客と契約し、毎月賃料を得る駐車場経営です。
広い土地を所有し、駐車スペースを多く確保できれば、その分収益もアップします。
行える経営方式は以下の3種類です。
- 自営方式
- 管理委託方式
- 一括借り上げ方式
月極駐車場経営は車1台分のスペースが確保でき、重量を分散させるために舗装工事すれば始められるため、手軽に取り組めます。
経営に必要な機器は特になく、看板などで駐車場とわかるようにさえしていればよいでしょう。
経営をやめて別の土地活用を検討したいならば、利用客の契約が終了した時点ですぐに変更することも可能です。
手軽に始められ、なおかつ、いつでも撤退できるのは月極駐車場の大きなメリットです。
一方デメリットとしては、誰でも停めようと思えば利用できてしまうことです。
コインパーキングのように出入り口のゲートがないため、契約者以外の人が不正に利用してしまい、しばしばトラブルになることも。
そのため「契約者以外の駐車お断り。見つけ次第罰金〇〇円」などのお知らせを掲示し、注意喚起しておく必要があります。
また、契約者が賃料を滞納してしまうと、月単位のまとまった収入が得られなくなる点もデメリットといえるでしょう。
月極駐車場は月単位で利用するもののため、コインパーキングのように「30分だけ」「1時間だけ」といった使い方には向いていません。
自宅に駐車場を確保できない方などが、長期的に停めておくのに使われます。
そのため、住宅地の周辺に土地を所有している方なら、うまく経営できるチャンスがあるかもしれません。
2. コインパーキング
コインパーキングは24時間無人の駐車場です。
入り口で駐車券を発行して場内に進入し、空いているスペースに駐車します。
「30分〇〇円」「1時間〇〇円」など、駐車した時間に応じて利用料金を清算する仕組みです。
コインパーキング経営は、月極駐車場経営で行える3種類の経営方式以外に、以下のものもあります。
- 利益分配方式:委託内容と利益の配分を話し合いで決める
- 機材買い取り方式:機材を買い取り、経営はオーナーが行う
- 機材レンタル方式:機材をレンタルし、経営はオーナーが行う
コインパーキング経営では、初期費用を抑えて安定した収入が得られます。
狭い土地でも経営できるため、車1台を停められるスペースがあれば取り組めるのがメリットです。
とはいえ、どこで経営してもうまくいくというわけではありません。
コインパーキングのニーズがある土地を把握することが大切です。
「時間貸し」という特徴を考えると、「数時間車を停めたい」と思う人が集まる土地を経営地の候補として考えるとよいでしょう。
すなわち、駅周辺や繁華街が適しています。車で移動してから公共交通機関を使って遠出したり、繁華街でショッピングしたりする人にとって、ニーズが多いと考えられます。
「車を停めたいのにいい場所がない」と悩んでいる方が多い地域では、重宝されるでしょう。
コインパーキング経営は、精算機や車止めのフラップ板など必要な機材がいくつかあります。
月極駐車場と比較すると初期費用は高いものの、アパートやマンションとの比較であればたいへん安く、参入しやすい土地活用方法といえます。
よって初心者でも取り組みやすい経営であり、たとえうまくいかなくとも、半年程度の短い期間でやめることも可能です。
駐車場ニーズの高い地域で土地を所有しているならば、ぜひおすすめしたい土地活用方法です。
別記事の「コインパーキング経営のメリット・デメリットとは?」にてコインパーキング経営のメリット・デメリットをはじめとした詳しい内容を解説しております。ぜひご覧ください。
駐車場経営のメリット
駐車場経営のメリット4つについて以下で解説します。
1. 初期投資が少額でスタートできる
駐車場経営は、アパートやマンションのように建物を建築するわけではないため、初期費用が少額でスタートできる点がメリットです。
経営に必要な整備には、以下のような費用が想定されます。
- 地面の舗装:1平米あたりアスファルトで4~5千円、コンクリートで8千~1万円
- フラップ板:1台あたり10万円
- 精算機:1台あたり40~50万円
- 看板や照明:15~20万円
- 歩道の切り下げ:30~50万円
- 機器の設置・施行:50万円~
上記はご自身で設置・施行した場合の費用ですが、先述した一括借り上げ方式で経営すれば、土地を所有しているだけで初期費用はゼロになるのです。
アパートやマンション経営ではここまで少額で始めることはできません。
多くの場合、数千万円の初期投資が必要になり、アパートローンを利用して始めることになるでしょう。
初期投資が少額でスタートできる駐車場経営は、いかに金銭的ハードルの低い土地活用方法であるかということがおわかりでしょうか。
別記事の「駐車場経営は初期費用にいくらかかる?初期費用を0円にする方法も解説」にて初期費用を0円にする方法を解説しております。ぜひご覧ください。
2. 狭い土地や変形の土地でも始められる
住宅に不向きな狭い土地や、変形した土地でも駐車場経営なら始められます。
車を停めるスペースと、必要な機器のスペースさえ確保できれば駐車場経営が成り立つからです。
具体的には車1台あたり「縦5m×横2.5m≒4坪」に加え、機器のスペースを2坪程度とすれば約6坪が確保でき、経営に十分な広さとなります。
一方、約15坪以下の狭い土地や変形地では、建物の建築はかなりむずかしいといえます。なんとか建築できても住宅が狭ければ住みづらく、庭を設けることもむずかしいため、使い勝手が悪くなってしまいます。
狭い土地や変形地を所有していて活用方法に困っている方は、小規模でも駐車場経営を始めてみるとよいでしょう。特に、毎年の固定資産税が負担だと思う方におすすめです。
駐車場の収益で税額をまかなえれば、実質ただで土地を所有できるようになりますよ。
3. 短期間でスタートできる
駐車場経営は大がかりな工事や建築がいらないため、短期間で経営をスタートできるのが魅力です。
アパートやマンション経営では間取りや構造を決めることから始め、施行業者の選定後に建設が始まるため、経営スタートまで1年ほどかかる場合も。
すでに建築済みの物件を購入してから始める場合でも、リフォーム等の時間や手間を考えると数ヵ月はかかってしまうでしょう。
一方で駐車場経営の大きなメリットは、管理業者が決まればその後半月程度でスタートできることです。
また、すでに建物がある土地でも、取り壊して土地の舗装が完了するまで1ヵ月程度あれば十分です。他の土地活用と比較して短期間であることがわかります。
4. やめたい時にすぐ対応しやすい
駐車場経営は、やめたい時にすぐやめられます。
「別の土地活用方法に取り組みたい」「急にまとまった資金が必要になって駐車場を売却したい」など、さまざまな理由でやめたくなる時もあるでしょう。
月極駐車場経営では利用客に契約解除を申し出れば、退去まで1ヵ月程度見ておけば問題ありません。
コインパーキングならば、管理会社との契約解除ができればすぐにやめられます。
駐車場経営のデメリット
駐車場経営のデメリットは以下のとおりです。
1. 賃貸住宅に比べ、税金の負担が多い
駐車場経営におけるデメリットのひとつは、賃貸住宅に比べると税金の負担が多いことです。
実は駐車場経営では、税制上の優遇がありません。
というのも、アパートやマンション経営では「住宅用地の特例」が適用となり、固定資産税を本来の1/6負担するだけで済みます。
一方で駐車場経営には特例の適用がありません。
また、相続税においても住宅が建っていない更地を相続した場合、全額が課税対象になってしまうのです。
また、もともと土地に住宅があっても取り壊して駐車場にしてしまうと、翌年の固定資産税は住宅用地の6倍になってしまうため、注意が必要です。
いつまでも固定資産税が1/6だと勘違いして収支計画を立てていると、経営開始後の翌年に税額を見て驚くことでしょう。
税負担が大きいことで赤字経営にならないよう、把握しておくことが大切です。
駐車場経営では他にも以下のようにさまざまな税金がかかります。確認しておきましょう。
- 所得税
- 住民税
- 事業税
- 消費税
- 都市計画税
- 償却資産税
2. 土地の利用効率が低い
土地を効率よく利用することがむずかしい点はデメリットです。
アパートやマンションでは「2階建て」「3階建て」と、たとえ土地が狭くとも高さを活かして効率よく利用できます。
しかし駐車場経営においては、活用できる土地が多くの場合ワンフロアのみです。
そのため、土地の利用効率の低さによって収益が比較的少なくなってしまうということです。
税金の負担も多いため、稼働率によっては手元にほとんどお金が残らないことが大きなデメリットといえるでしょう。
駐車場経営の基本的な始め方
駐車場経営の基本的な始め方について解説します。
1. 土地活用相談
駐車場経営を始める際にまず行うのが、土地活用相談です。
駐車場経営の方式には先述したように以下3種類があります。
- 自営方式
- 管理委託方式
- 一括借り上げ方式
どの経営方式を検討していても、基本的には土地活用相談からはじめるとよいでしょう。
この段階では、それぞれのメリットやデメリットを専門業者から学び、ご自身の目標とする収益や、手持ち金などの兼ね合いで方式を選んでいきます。
注意したいのは月極駐車場なのか、コインパーキングなのかによって相談先が変わることです。
月極駐車場では地元の不動産会社に相談することが多く、コインパーキング経営では専門の管理会社に相談することになります。
また、管理業者もいろいろあり、対応できるサービスの範囲も異なります。
そのため、ひとつではなく複数の管理会社に相談して、ご自身に合った会社を最終的に選ぶと良いでしょう。
2. 契約
経営方式や駐車場の種類が決まった段階で、管理会社との契約になります。
契約時には、初期費用やランニングコストなどがどの程度かかり、オーナーが負担するのはどの部分なのかなどが明確になってきます。
管理会社との契約の際は、契約内容についてできるだけ詳細に確認しておきましょう。
駐車場経営における失敗は、管理会社との契約内容をよく把握しなかったためにトラブルに発展する場合があるからです。
委託したい業務が範囲外だったり、オーナーの金銭的な負担が大きくなったりすることも。
特に以下については優先的に確認しておきたい項目です。
- オーナーと管理会社双方の業務範囲
- 違法駐車の撤去費用を負担するのはどちらか
- 原状回復にかかる費用の負担について
- 駐車場経営をやめる場合の違約金について
などがあります。
業務範囲については、駐車場内の清掃やクレーム対応をオーナーと会社のどちらが行うかなどを確認しておくとよいでしょう。
オーナーが別に本業で働いていると、すぐに対応できないことが多々あります。特にクレームはいつ起こるかわからないため、できれば管理会社に対応してもらえる方がよいでしょう。
違法駐車の撤去費用や原状回復費用については、収益に大きくかかわる内容になります。
費用負担がオーナー、管理会社のどちらなのか、しっかり把握しておきましょう。機器や看板を撤去したり、舗装工事したりすると、ある程度の出費が考えられます。
駐車場経営をやめる際は、契約期間内の解約では、違約金が発生することがあります。
急に資金が必要になり駐車場を売却したいと思っても、違約金により手元にあまりお金が残らないこともあります。違約金に関する規約の確認は必須です。
このように、契約内容をしっかり確認しておけば、以下のトラブルを回避できる可能性があります。
- 駐車場内の保全不良による客離れ
- 機器や設備不良
- クレームのエスカレート
- 赤字経営
トラブル時に迅速に対応でき、責任の所在なども明確になりますので、しっかりと押さえておきましょう。
3. 施工
自営方式と管理委託方式の場合は、決めた施工内容をもとに、ここから施行が始まります。
月極駐車場では、車の重量分散のために舗装工事が必要です。砂利、アスファルト、コンクリートなどを使用し行います。舗装工事と看板等の設置が済めば、月極駐車場の施工は完了です。
コインパーキングでは、舗装工事の後にフラップ板や精算機など各種機器の整備が済めば完了です。
4. 利用開始
契約と施工が済めば、利用開始となります。
自営方式・管理委託方式・一括借り上げ方式の違いによって、ここからオーナーの業務は大きく変わってきます。
一括借り上げ方式の場合は今後業務にたずさわることがなく、一定の賃料収入が入ってくるようになります。
管理委託方式では今後の管理を会社に委託できるため、初期費用やランニングコストを見ながら、収支計画どおりに経営できているか確認していくとよいでしょう。
大変なのは自営方式です。利用開始と同時に「集客」「メンテナンス」「顧客対応」をすべて行っていくため、手間や時間がかかることを念頭に置きましょう。
駐車場経営で失敗しないための4つのポイント
駐車場経営を失敗しないためには、4つのポイントを押さえる必要があります。
ポイントとは、駐車場経営における以下4つの特徴を押さえておくことです。
- メリットを知ること
- デメリットを知ること
- 駐車場経営に向いている土地の特徴を知ること
- 駐車場経営による節税効果について知ること
以上について押さえておくと、失敗する可能性を減らせるでしょう。
別記事の「駐車場経営が失敗するのはなぜ?原因と対策について徹底解説 」にて失敗しない駐車場経営を解説しております。ぜひご覧ください。
基礎知識を押さえたら駐車場経営を始めよう
いかがでしたか。
駐車場経営は土地活用方法の中でも人気があり、初心者でも取り組みやすいビジネスです。
自営方式のようにすべてご自身で管理するものから、一括借り上げ方式のように経営のすべてを管理会社に委託できるものまであります。
それぞれの特徴を押さえたうえで、駐車場経営のメリットやデメリットもしっかりと把握しておきましょう。
駐車場経営を始める際は、経営方式と駐車場の種類をまず決める必要があります。
ご自身の目標とする収益や手持ち金に応じた経営方式を選ぶとともに、月極駐車場なのか、コインパーキングなのかを検討しましょう。
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