駐車場経営が失敗するのはなぜ?原因と対策について徹底解説

土地活用方法のひとつとして人気のある駐車場経営は、手軽に取り組める一方で、事前の準備や入念な収支計画の作成を怠ると、失敗してしまいます。

そこで本記事では、駐車場経営の失敗について、原因と対策を解説します。
駐車場経営の失敗について理解しておくことで、安全な駐車場運営が可能になるでしょう。

Contents

そもそも駐車場経営とは?


駐車場経営とは土地活用方法のひとつで、駐車場を第三者に貸し出し賃料収入を得るものです。
大きく「月極駐車場」と「コインパーキング」に分けられます。

アパートやマンション経営と比較すると初期費用が安く済み、参入しやすいため人気の土地活用方法といえます。
しかし、事前の調査や詳細な収支計画のもと経営しなければ失敗も考えられるため、注意が必要です。

別記事の「駐車場経営とは?始める前に知りたい基礎知識を解説」にて駐車場経営についての詳しい情報を解説しております。ぜひご覧ください。

月極駐車場とコインパーキングのどちらがおすすめ?

月極駐車場とコインパーキングのどちらが適しているかは、結論、場合によります。
駐車場の種類ごとに特性やメリット、デメリットが異なるため、どちらが自分の土地に合っているかを考えることが大切です。

月極駐車場は、特別な設備は不要で、駐車スペースを区切れば、即、運用可能となります。
住宅街からオフィス街まで、広いエリアで固定客が見込めるので、月単位で安定した収入が望めるのがメリットです。

コインパーキングと比べると収益性は低いものの、初期費用や管理コストは比較的低額なので、手間やコストをかけずに駐車場経営を始めたい方にはおすすめです。
ただし、コインパーキングよりも利回りが低く、あまり儲からない点や、賃料の滞納リスクがあることは、デメリットといえます。

一方、都市部に目立つコインパーキングは、駅や繫華街、商業施設の近くなど車両の交通量が多い場所であれば、回転数も上がり、高い収益を見込めます。
その反面、個人経営方式や管理委託方式の場合は、舗装や機械の設置費などで、月極駐車場よりも初期費用がかかる傾向にあります。

収益についても、運営時期や天候に左右されやすく、儲けが出やすいですが、月極より安定しない点がデメリットといえるでしょう。

駐車場経営の3つの経営方法

駐車場経営には3つの経営方法があります。
それぞれの経営方法についてどんなメリットデメリットがあるのか、またどんなかたであればどの経営方法がおすすめなのか具体的にみていきます。

それぞれの経営方法について理解をして自分に合った経営方法を選択できるようになりましょう。

個人経営方式

まずは個人経営方式です。
これは土地探しから、駐車場経営をするために必要な整地や舗装、設備機器の工事依頼先、完成したあとの管理運営まですべて自分でおこなう経営方法です。

個人経営方式がおすすめなかたは、ある程度、駐車場経営について知識やノウハウを持っているかたです。
個人経営方式のメリットは管理委託手数料といったものが経費として掛からないため、得られる利益が最大化される点です。

デメリットとしてはトラブル対応や日ごろの管理運営に時間がとられる点です。時間的な余裕やトラブル対処の経験がないと個人経営方式は難しいでしょう。

管理委託方式

管理委託方式の場合はどこまで管理委託するかによって細分化することができます。
基本的には、駐車場経営するための土地と設備は自分で用意して、日ごろの管理運営を専門会社に委託するケースです。

管理委託方式がおすすめのかたは、初めて駐車場経営をするかたです。自分に知識やノウハウがなくても専門会社は入ることでアドバイスを得ながら、経営ができます。
管理委託方式のメリットは日ごろのトラブル対応や管理運営を任せることで経営に時間を取られることがない点です。

デメリットとしては管理委託手数料が発生するため、個人経営と比較すると利益が少なくなる点です。

一括借り上げ方式

一括借り上げ方式は所有する土地を貸し出して、貸し出した相手が駐車場経営に必要な費用を負担します。
賃貸借契約になるため、オーナーは毎月地代を収入として得る形になります。

一括借り上げ方式がおすすめのかたは、土地を既に所有しているが、特に土地活用をしておらず、自分でなにか土地を活かして経営を考えていないかたにおすすめです。

一括借り上げ方式のメリットは自分で駐車場経営をおこなうわけではないため、日ごろの管理運営をする必要はない点です。
デメリットとしては、将来的に土地活用をしたいと考えている場合には、そのタイミングで契約解除するのが難しい点です。

またいくら駐車場経営が順調で利益が多くなったとしても、賃借料は賃貸借契約書で定めた金額のため一定の収入しか得られない点です。

駐車場経営の失敗とは


駐車場経営の失敗とは、収益よりも支出が大きくなり赤字経営が続いてしまうことをいいます。
「収益<支出」の関係になってしまう原因には以下のものがあります。

  • 想定どおりの収益がない
  • 想定外に支出が多い

これらの状況になると赤字経営となり、継続していくためには自己資金を投じなくてはならなくなってしまうのです。
まず、想定どおりの収益がなかった原因とは、空車が多くなってしまうことです。

駐車場の需要がない土地で経営を始めたり、近隣に安い競合の駐車場ができてしまったりすることで、思った以上に利用客が確保できない場合が考えられます。
また、賃料未納により収益を得られないこともあるでしょう。

一方、想定外に支出が多くなるのは、事故や自然災害などによって、設備の修繕費が大きく膨らんだり、税金の支払いが多かったりすることで起こります。

どの経営にもいえることですが、想定どおりに経営がすべてうまくいくことはありません。
駐車場経営も「何かしらのトラブルはつきもの」だということを念頭において、想定外の事案に対応できるよう日頃より準備しておくことが大切でしょう。

駐車場経営で失敗しやすい人の特徴


駐車場経営で失敗しやすい人の特徴には、以下のような点が共通していることがあります。

  • 楽して不労収入が得られると思っている
  • 建物ではないため管理の必要がなく、放置してもいいと思っている

まず、駐車場経営は楽して不労収入が得られるわけではありません。安定した収益を確保するためには、集客が重要です。
たとえば、あまり需要のない土地で経営を始めてしまった場合は、集客に苦労することが考えられます。

そのため、駐車場以外の場所から当該駐車場の存在をアピールできるような看板や目印を使って、アナウンスする必要があるでしょう。
また、稼働率は曜日や時間帯によって変わります。稼働率の変化を加味して集客方法を工夫したり、収支計画を見直したりする必要もあるのです。

駐車場経営は建物ではないため、管理が必要ないと思っている人も危険です。
駐車場にもいろいろな設備や機器があるため、定期的なメンテナンスや清掃により、使い勝手や衛生面を保つ努力も必要です。

管理が不十分だと利用客からの印象は悪くなり、結果として利用率が減り、失敗してしまうのです。

別記事の「コインパーキング経営に向いている人・向いていない人の特徴」にてコインパーキング経営に向いている人の特徴を詳しく解説しております。ぜひご覧ください。

駐車場経営の失敗する原因


駐車場経営が失敗してしまう原因について、以下で具体的に解説していきます。
多くの原因は、事前の詳細な調査によって回避できる可能性がありますので、ぜひ参考にしてください。

需要が見込めない土地で始めてしまった

駐車場経営は、その土地に駐車場の需要がなければ集客がむずかしくなります。
付近に大きな道路があり、車通りの多い立地だとしても「駐車場に車を停めたい」と思う人を集められなければ、たとえどれほど駐車料金を下げても駐車場経営は成り立ちません。

  • すでに駐車場がある
  • バスや電車での移動がメインのエリア

上記のような土地では、あまり駐車場の需要がありません。

すでに駐車場があっても満車ではなく空車の多さが散見されるようなら、ほとんど停める人がいないと考えられます。
また、公共の交通機関を利用する人が多い場所では、車で移動する機会が少ないため、同様に駐車場の需要は低いことがわかります。

では、駐車場を利用したいと思う人が多い土地の特徴とはどのようなものなのでしょうか。

  • 駅の周辺
  • 観光地
  • 飲食店・美容院・病院など施設の周辺

上記が該当します。

これらの周辺では「路上駐車が多い」「ビルが多くて近隣の店に車でアクセスしづらい」「施設そのものに駐車場がない、もしくはあっても満車になりやすい」などの特徴があります。

まずは、駐車場経営を始めようと思う土地で、需要があるのかを調査し、上記に該当しているか確認しておくとよいでしょう。

料金設定が高すぎた

駐車場が密集しているエリアでは、駐車のしやすさや設備でよほど差別化していない限り、利用客は料金の安さで停める駐車場を選びます。
近隣の競合が設定している料金を事前に調査しておかなかったため、相場がわからずに料金設定を誤ってしまうことがあります。

「より多くの収益を得たい」と思うがために、高すぎる料金設定にしてしまった結果、ほとんど利用客を確保できなくなってしまうのです。
ひとたび利用客から「あそこの駐車場は料金が高い」と思われてしまうと、利用されにくくなってしまいます。

高い料金設定でも停めてもらえる場所といえば、都内の中心地です。
高いところでは10分で500円にもなる駐車場があるほどです。しかし、地方でそれほどまでに高い料金設定をしていては、確実に利用してもらえないでしょう。

駐車場経営する土地での料金設定を知り、相場に合わせておくことが大切です。

近くに安い駐車場ができた

近くに安い駐車場ができると、失敗する原因になります。
というのも、値下げ合戦になってしまうからです。

利用客の立場からすれば、同じ設備の駐車場があれば、安い方に停めたいと思うのは自然なこと。
つまり、付近に安い駐車場ができてしまえば、利用客はそちらに流れてしまいます。

そこで、引き止めるためにすることといえば、料金の引き下げです。
しかし、収支計画から逸脱した料金の引き下げをしてしまえば、利用客の確保ができたところで収支は赤字になってしまうかもしれません。

料金を引き下げるのであれば、下げた分を他で取り戻せるような施策が必要でしょう。
たとえば「深夜料金を高くする」「長時間停める場合は割安な設定にして、利用客の数を増やす」などです。

これらの施策は、競合の調査があってこそできることです。調査をおろそかにしてしまうと解決策が見つかりません。
入念に調査したうえで、競合と比べていかにお得に駐車できるかを利用客に宣伝できることが大切です。

管理会社の管理がずさんだった

駐車場経営では、場内の清掃や顧客へのクレーム対応については管理会社への委託が一般的です。

しっかりと管理してくれる会社であれば、つねに清掃が行き届いていたり、顧客からの問い合わせやクレームに迅速に対応してくれたりします。
一方で管理がずさんな会社と契約してしまうと、丁寧に対応してくれない場合があります。

  • 清掃をほとんどしてくれない
  • 機器や設備不良が多い
  • 問い合わせやクレームへの対応が遅い

上記のような問題が続くと、利用客からマイナスのイメージを持たれることになり、口コミで「あそこの駐車場はダメだ」と言われるようになることも。

そうなると利用客は離れ、結果的に収益が減り赤字経営となってしまうのです。
ずさんな管理会社を選んでしまわないよう複数の会社を調べ、実際に経営している駐車場へ足を運んで確かめたり、インターネットの口コミを参考にしたりするなどして、良し悪しを見極める必要があります。

狭すぎて使いづらい駐車場になった

駐車場経営は土地が狭くとも始められるメリットがあるものの、停めづらい・使いづらいといった印象を与えてしまうと、利用客から敬遠されてしまいます。
駐車場が狭いと停めにくいだけでなく、隣接する車と事故を起こしたり、入出庫の際に車体をぶつけたりする可能性も。

収益を上げたいがために、すし詰めのような狭い駐車場にしてしまっては使い勝手が悪く特になってしまいます。
特に大型車や初心者のドライバーはゆとりのあるスペースを重視するため、ニーズに合わせることが大切です。

また、使い勝手を知るためには、駐車場経営を始める前にご自身が実際に駐車場を利用してみるのもひとつです。
狭くて停めにくいところを利用する経験ができれば、利用客の視点から必要なスペースが把握できるでしょう。

自然災害によって使えなくなった

自然災害によって駐車場が使えなくなってしまうケースもあります。
駐車場は建物を建築するわけではないため、自然災害を意識することは少ないかもしれません。

しかし、実は災害による被害は意外に多くあるのです。

  • 地震:フラップ板の損傷・地割れや液状化現象・近隣の木や建物の倒壊による被害
  • 台風:浸水による機器の誤作動
  • ひょうや飛来物:衝突による機器の損傷

機器の損傷程度で済むのならまだよいのですが、駐車場全体に及ぶ被害は復旧まで時間と出費が多くかかります。

自然災害はいつ起こるかわかりませんし、避けられないものでもありますが、万が一起きたときのために備えておくことが大切です。

  • ハザードマップを確認しておく
  • 災害に対する保険へ加入しておく
  • 周辺の木や側溝などを整備しておく

上記のように対策しておくとよいでしょう。

事故が起きて損害賠償責任を負った

駐車場内での事故による損害賠償責任を負うことで想定外の支出が発生し、赤字経営になってしまうことがあります。

駐車場には「場内での盗難や事故には一切の責任を負いかねます」などの文言が記載されていることがあるものの、状況によってオーナーが損害賠償を請求されることはあります。
たとえば、利用客が出庫する際にフラップ板が上がったまま発進し、車を損傷してしまった場合です。

事故を起こしたのは利用客ですが、本来出庫の際に下がっていなければならないフラップ板が上がったままなのは、オーナーの責任になってしまうことが考えられます。
利用客も下がっていることを確認しなかったため過失は相殺されるものの、オーナーも損害賠償責任を負う点には注意が必要です。

この場合「下がっているはずのフラップ板が上がったままであること」から、本来の安全性が確保されず「土地工作物責任」が問題となります。

他にも、保管している車の盗難や事故が発生した場合も、基本的には「保管契約上の債務不履行」となり、管理不足とみなされてしまうのです。

 税金の支払いを計画に入れていなかった

駐車場経営では、初期費用や維持・管理費などのランニングコスト以外に税金による支出を忘れてはいけません。
たとえば住宅が建っている土地を相続し、取り壊したのちに駐車場経営を始める際は特に注意が必要です。

住宅が建っている土地では「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が本来の1/6になるため税負担が大幅に軽くなります。
一方で、駐車場経営においては対象外となるため、単純に約6倍の固定資産税がかかってくるのです。

特例のことをもともと知らずに減額された税額が本来のものと勘違いしていると、驚いてしまうことがあるでしょう。
本来支払うべき税金を計画に入れていないと、思った以上に支出が膨らみ赤字経営になってしまいます。

駐車場経営にかかる税金には以下のものがありますので、確認しておきましょう。

  • 所得税:駐車場経営に関する所得に対して課税
  • 住民税:前年の所得に対して課税
  • 事業税:建築物とみなされる駐車場か、機械設備のある駐車場の場合に課税
  • 消費税:単に土地を貸すのではなく駐車場の施設を貸す場合に課税
  • 都市計画税:都市計画の対象になる市街化区域内の場合に課税
  • 償却資産税:アスファルト舗装など償却資産に該当する部分の課税標準額が150万円以上で課税

収支計画を立てる際は、税金の種類と支払額をシミュレーションしておくことが大切です。

賃料の未納が頻発した

駐車場経営において、賃料の未納は死活問題です。
特に月極駐車場では月単位での支払いになるため、高額な駐車料金が未納になってしまいます。

また、コインパーキングで車両が放置されたまま未納が続くケースでは、料金が支払われないだけでなく、駐車場1台分が空車になるのと同じことになってしまいます。
未納があると、予定していた収入が減るのはもちろん、賃料の催促などに関する業務の手間も発生してしまいます。

長期的に未納が続く場合は車を撤去する必要があり、その費用や手間も小さいとはいえません。
そうならないためにも確実に支払ってもらえるよう、未納の場合の対処を取り決めておきましょう。

また、支払いを口座振り込みにしておくなどの対策も有効です。

空車稼働を想定していなかった

駐車場は常に満車が続くわけではありません。コインパーキングでは空車稼働を想定しておくことが大切です。
収支計画の際、常に満車状態を基準に収益を計算してしまうと、空車によって予想外の収益減となってしまうからです。

最悪の場合、必要経費の方が大きくなり赤字経営になってしまうことも。

駐車場は利用客が多い曜日や時間帯があります。その他にも経営場所の立地や料金設定によって稼働率が変わってきます。
いくつかの状況を想定して稼働率を決め、空車稼働になった場合の収支も予めシミュレーションしておきましょう。

駐車場内でトラブルが起こった

駐車場内ではさまざまなトラブルが起こる可能性があります。
トラブル事例としては、無賃駐車や車を放置される、精算機が壊されて盗難の被害に遭うといったことです。

無賃駐車されるとその分の利益が得られないのはもちろんですが、フラップ板や精算機が壊されてしまい、その修理費用が発生することもあります。
また車の放置がされると、その駐車スペースが使えなくなり、本来得られるはずであった収入が得られなくなってしまいます。

必要があれば警察に相談をして解決をしましょう。
こういったトラブルを防ぐためにも定期的な点検やメンテナンスをおこなうのはもちろん、防犯カメラの設置などトラブル防止の対策をする必要があります。

原状回復に費用がかかった

駐車場経営が黒字であっても、経営をやめるとなったときに赤字に転落してしまうことがあります。
その理由としては、土地を返すときに原状回復義務が生じます。舗装工事や設置した設備機器の撤去費用がかさんでしまうからです。

もし企業と共同で経営をしている場合には、事業撤退のときにかかる費用負担割合が契約時に決められていることもあります。
企業負担なのか、オーナー負担なのか、負担割合はどのくらいなのかを契約時に確認するようにしましょう。

管理会社選びを誤った

管理会社と契約したものの、ずさんな管理によって利用客が減ってしまうという、オーナーが被害者的立場に立たされるケースもあります。

たとえば、駐車場の掃除がまったくなされていない、機器の不具合やクレームへの対応が遅く不誠実、設備のメンテナンスに手を抜いている、などがそれにあたります。
これらのトラブルは利用客離れに直結するので、管理会社選びは慎重に行わなければなりません。

複数の管理会社を比較検討したうえ、口コミも参考にしながら判断することが重要です。
契約期間や違約金などの条件を設定している管理会社もあるため、契約時には諸条件も細かく確認しましょう。

管理会社との違約金が発生した

例えば経営が上手くいかなかったので事業をやめたい、資金が必要で土地を売却しなければならなくなってしまったときに管理会社にお願いをしている場合には違約金が発生する場合もあります。

管理会社との契約をするときには契約期間を定めるでしょう。
その契約期間満了前に契約解除をする場合には違約金が発生するため、契約内容や違約金については契約時に把握しておくようにしましょう。

もしくは将来的に土地転用を考えているかたは事前に契約期間を定める、もしくは管理会社を使わずに経営をしたほうがいいです。

自営で管理が行き届かなくなった

当初は自分で管理運営できると思い、経営を始めたが思った以上に大変で管理が行き届かなくなってしまうこともあります。
日々の清掃やトラブル対応、売上の集金など管理運営は思った以上に大変です。

管理がずさんだと利用されなくなる恐れもあるため、対応ができない場合には管理会社を入れることも検討しましょう。

予め駐車場経営の失敗しないための対策方法


駐車場経営を失敗しないためには、予め対策しておくことが大切です。
以下で失敗しないための対策方法を3つ解説していきます。

事前調査をしっかりする

事前調査をしっかりしておくことが失敗を回避する重要な対策といえます。
事前に調査しておきたい事項には以下のものがあります。

【調査事項】

  • 利用客のニーズ
  • 月極駐車場とコインパーキングの比率
  • 稼働率
  • 料金設定
  • 周辺の道路幅
  • 駐車場へのアクセスのしやすさ

駐車場経営では、そもそも利用客が「その駐車場を利用する理由」をもっていなければなりません。まず、利用客は駐車場がなくて困っているかどうかの分析が必要です。

月極とコインパーキングの比率を見るとニーズの予測は可能です。駐車場が少ない住宅地周辺では月極駐車場が適しており、駅や施設の周辺で路上駐車が多ければ、コインパーキングが適しています。周辺の競合から比率を確認しておくと参考になるでしょう。

その際、あわせて稼働率も見ておきましょう。稼働率が高い競合の特徴を知っておくと、設備や料金の参考になります。
また、周辺の道路幅が十分であるかや、駐車場へのアクセスがしやすいかどうかもポイントになります。

設備や料金設定がよくても、利用しにくいと思われれば敬遠されてしまいます。
車の取り回しに余裕があるかどうか、事前に確認しておきましょう。

自分に合う経営方法を選ぶ

コインパーキング経営の方法は、主に「自主管理方式」「管理委託方式」「一括借り上げ方式」の3つがあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

自主管理方式とは、すべて自分で駐車場の管理を行う方式です。
料金設定や利用者の募集、看板や機器の設置などの業務を管理会社に依頼しないため、手数料がかからず、駐車場経営の収益のすべてを自分の収入にできます。
トラブル時の対応を身につけている人、コインパーキング経営についての知識がある人におすすめです。

管理委託方式は、駐車場の管理を管理会社に委託する方式を指します。
委託できる業務には掃除や巡回なども含まれます。
当然、管理会社への手数料が発生するので、賃料からその金額を差し引いた残りが利益です。
駐車場経営に関わりつつ、時間的に全面対応は難しいという方に向いています。

一括借り上げ方式とは、土地を管理会社に貸し出し、賃料を得る方式のことです。
コインパーキング経営で選ばれることが多く、管理や運営はすべて管理会社に任せることができ、毎月定額の賃料が得られるというメリットがあります。
駐車場経営で、安定した収入を得たいと考えている人におすすめです。

それぞれの方式の特徴を理解し、自分に合った方法を選択することで、駐車場経営の成功につながるといえるでしょう。

土地の活用目的を整理する

駐車場経営に踏み出す前に、そもそもその土地をどのように活用していきたいか、今一度整理しておきたいところです。

土地活用法は何もコインパーキングだけではありません。
収益を大きくしたいのであれば、アパート投資やマンション投資が適している場合もあるはずです。

「リスクが小さいからまずはコインパーキングでも始めるか」という方もいますが、それでは前向きな取り組みとはいえません。
コインパーキング経営を行うことで、自分が求めている利益を得られるかを計算し、土地活用を進めると失敗のリスクが下がります。

管理会社との契約を確認する

管理会社との契約内容を詳細に確認することもきわめて大切です。
会社とトラブルにならないためにも、以下の内容は確認しておきましょう。

【確認する契約内容】

  • どの業務をどの範囲まで行ってもらえるか
  • 原状回復に関する費用の取り決めはどうなっているか
  • 急遽駐車場経営をやめたくなった場合の違約金はどうなっているか

などがあります。

業務範囲については、駐車場内の清掃やクレーム対応などをオーナーと会社のどちらが行うかなどを確認しておくとよいでしょう。
また、違法駐車を撤去する際の費用をどちらが負担するのかなども事前に明確にしておきたい部分です。

特に、トラブルがあってクレームが発生した時は要注意です。問い合わせがあってから諸々を確認していると対応が遅れてしまい、より大きなクレームになる可能性もあります。

駐車場経営をやめて売却する際は、原状回復が必要になります。機器や看板の撤去、舗装工事などが該当します。その際の費用負担がオーナーなのか、管理会社なのかも事前に確認しておきましょう。

経営が黒字化していたのに、売却時の原状回復費をすべて負担することになり、赤字になってしまっては意味がありません。
契約期間満了前の売却にも注意が必要です。多くの場合、満了前に解約してしまうと違約金が発生してしまうため、違約金に関する内容も把握しておきましょう。

必要なお金を把握する

駐車場経営を始める前に、必要となるお金を把握しておきましょう。
資金については、初期投資とランニングコストを考慮しなければなりません。

自主管理方式か一括借り上げ方式かによっても、資金繰りは異なってきます。
特に自主管理方式で一から始める場合は、「土地の確保」「整備」「設備の導入」など多額の初期費用がかかります。

さらに、月極か、コインパーキングかの違いも、大きな要素です。
コインパーキング経営を始めるのに必要な初期費用は、道路舗装費用、車止めの設置費用、整地費用や歩道切り下げ工事費用、設備費用などです。

なお、料金設定は事前に固めておきましょう。
料金設定が誤っていることも失敗の原因になります。
競合と条件がほぼ同じなら料金を安くして差別化する必要がありますが、安くしすぎたのではそもそも収益が少なくなってしまいます。
しっかりと収益が確保できるラインを決めておくことも重要です。

このほか、コインパーキング経営にかかる固定資産税や管理委託費、修繕費、初期投資額を何年で回収できるのかが分かる利回りもしっかり計算しておくことが求められます。
駐車場経営にも、収支計画が思ったとおりにいかないことも少なくありません。
そのため、収支計画は余裕を持たせておくことをおすすめします。

収支計画は余裕を持っておく

さいごに、収支計画の重要性を認識しておきましょう。
収支計画には余裕を持ち、予期せぬトラブルが起きて収支のバランスが崩れても、経営を立て直せるようにしておきたいものです。

  • 自然災害
  • 稼働率の低下
  • 競合の増加
  • トラブルによる損害賠償
  • 税金の支払いを忘れていた

以上のように、さまざまなリスクがあり、複数組み合わさることもあります。

つねにリスクが隣り合わせであることを念頭においておきましょう。
赤字が続いても、黒字転換できるよう年単位での収支計画をしっかりと立ててください。

駐車場経営の失敗を回避するための土地選び

需要の高い土地を選ぶ

駐車場経営は、需要が少ないと十分な収益を上げられないため、事前調査をしっかり行っておくことが極めて重要です。
所有する土地周辺にコインパーキングや月極駐車場などの競合があるか、昼間や夜間に出入りがあるか、稼働率はどの程度か、などを調査しましょう。

バスや電車など公共交通機関を利用する方が多く、駐車場の需要が見込めない立地では、集客に行き詰まることになります。
コインパーキング経営を始めるうえで、その立地に駐車場の需要があるかを見極めることは、経営を成功させる大前提といえます。

コインパーキング経営に成功するためのポイント4つ

コインパーキング経営を成功するためのポイントはどんなところにあるのでしょうか。
成功するための4つのポイントについて具体的にお伝えします。

土地をどのように活用したいのかを明確化する

まずはどのように土地を活用したいのかを明確にしましょう。
土地活用と言えど、その方法はコインパーキング経営に限らずさまざまなものがあります。

アパート経営やマンション経営、月極駐車場やコインパーキング経営などです。
それぞれ立地条件や得られる利益、かかる経費は異なります。

自身が所有する土地ならどういった土地活用が向いているのかを明確にしたうえでどういう土地活用するのかを決めましょう。

ニーズの調査

土地周辺のニーズを把握する必要があります。
コインパーキング経営では事前の土地探しが肝心です。

その土地でニーズがあるのかどうかはもちろんですが、競合他社がいるのかどうかも重要です。
競合他社が既にいる場合にはどのくらいの稼働率なのかも調べてみましょう。

稼働率が高いようなら需要に対して供給が足りていないかもしれません。
逆に稼働率が低ければ需要に対して供給過多になっている恐れがあります。

管理会社の選定と料金設定

土地が決まったら次に管理会社の選定および料金設定になります。

管理会社によって管理方法も違えば料金設定のやり方も異なります。
ホームページなどで実績などを確認して複数社比較検討したうえで決めましょう。

固定資産税を計算する

土地には固定資産税がかかります。固定資産税は土地を所有する限り毎年かかります。
建物の場合は特例があり、固定資産税の軽減措置がありますが、土地のみの場合には特例がありません。

固定資産税は経費になりますので、経費はなるべく抑えたほうが利益は多くなります。

ちなみに固定資産税は、土地所有者に対して送付される固定資産税納付書で確認できます。
固定資産税の金額は固定資産税評価額×1.4%で計算が可能です。

少し変わったコインパーキングの経営方法

駐車場経営はローリスクといわれますが、事前の準備・調査を怠れば失敗しやすい事業でもあります。
また、需要の読み違い、競合の出現など、当初想定しなかった事態に見舞われ赤字経営となった例もあとを絶ちません。

これらを、個人で対処するには限界がある駐車場経営のリスクですが、運営会社に委託することで失敗をある程度減らすことができるでしょう。
管理だけでも、駐車場運営会社や不動産会社に委託したほうが安心といえます。

この点、土地オーナーが運営会社に、コインパーキング経営を一任する一括借り上げ方式なら、土地オーナーはこうした不安や煩わしさから解放されます。
運営会社が『駐車場用地賃貸借契約』を結び、土地オーナーに毎月所定の地代を支払うもので、土地オーナーは安定収入を得られるのがメリットです。

駐車場開設に必要な工事費、初期メンテナンス費用は基本的に運営者の負担となるため、土地オーナーは自己費用ゼロでスタートすることができます。
駐車場経営は借地借家法の適用がなく、事前通知でいつでも解約が可能なのも、土地オーナーには有利なポイントです。

半面、採算次第では、運営会社から地代の値下げを要求されるリスクもありますが、その辺りのメリット・デメリットをどう判断するかは土地オーナー次第といえるでしょう。

失敗しないために把握すべきお金の流れ4つ

コインパーキング経営は不動産投資になるため、お金の流れを把握しておく必要があります。
お金の流れを把握していなければ、最終的にどのくらいの利益が出ているのかが分からなくなります。

初期費用

まずは初期費用としてどのくらいかかるのかを調べましょう。

初期費用としてかかるものとしては、土地の整地や舗装費用、駐車スペースや駐車番号といったライン引き、フラップ板や精算機、看板や外灯、防犯カメラといった設備機器の導入費用があります。

これらの初期費用を自分の資金だけで賄うのが難しい場合には金融機関などから融資を受ける必要があります。

料金設定(単価×稼働率)

コインパーキング経営の収入は料金単価×24時間×稼働率×駐車台数で計算されます。
時間と駐車台数は改善できないため、収入改善をするためには料金単価と稼働率が大切になります。

料金単価にしても周辺相場とかけ離れた料金設定をしてしまった場合には利用されなくなります。

稼働率も周辺の利用状況で左右されます。

コインパーキング経営の場合には始めたあとに収入を自分の努力であげるのは難しいです。
そのため、経営を始める前の土地探しが最重要で料金単価や稼働率に影響があります。

各種費用

コインパーキング経営の管理維持に必要な経費にも着目しましょう。
収入から経費を差し引いた部分が自分の手元に残る利益になります。

利益を上げるには収入を上げるか、経費を下げるかです。

コインパーキング経営でかかる経費としては、固定資産税、損害保険料、電気代、管理委託会社は入っている場合には管理委託手数料、必要であれば設備機器の減価償却といったものが挙げられます。

これらの経費をいかに引き下げるかも利益を上げるためのポイントになります。

利回り

利回りとは、投資した金額に対していくらの収益が見込めるかを計算するものです。
計算方法としては、年間利回り=(年間収入-年間経費)÷投資額×100で計算されます。

仮に年間収入240万円で、経費が40万円、投資金額が2,400万円とした場合に計算式に当てはめます。
(240万円-40万円)÷1,500万円×100=約13.3%が年間利回りになります。

一般的にコインパーキング経営の利回りは約15~30%と言われています。
経営をする前に利回り計算のシミュレーションをしてみて、どのくらい見込めるかで判断するとよいでしょう。

失敗しない駐車場経営にするために


本記事では駐車場経営に失敗してしまう原因と対策について解説しました。
駐車場経営は、アパートやマンション経営と比較すると取り組みやすい土地活用といわれています。

一方で、入念に準備しておかないと失敗する可能性が高くなってしまいます。
「事前調査」「管理会社との契約内容の確認」「余裕をもった収支計画の作成」などが重要です。

失敗しないためには上記に注意し、安全な駐車場経営をできるようにしたいものです。

当サイトでは、コインパーキング経営に関するお役立ち情報と、おすすめの運営会社を紹介しています。
コインパーキング経営を検討されている方は、ぜひご覧ください。

これを見ればぴったりのコインパーキング経営の運営会社がすぐに見つかる!
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